927: 名無しさん@おーぷん 2018/01/27(土)20:03:05 ID:???
冬休み中のある日、中学生の息子が
「好きな子にかまって欲しくて、つい意地悪な事を言ったりしたりしてしまう男子をどう思うか」
と尋ねてきた。
すかさず妻が
「最低」
ととても冷たい声で言って、空気が凍りついた。

「中学生の頃、クラスメートの一人から執拗に嫌がらせを受け、何度『嫌だ』と訴えてもやめてくれなかった。
成人してからの同窓会で、
『実はあの頃キミのことが好きだったんだよね』
と言われて腸が煮えくり返った。
『好きだった、あの頃は幼くてそれをどう伝えたらいいか分からなかった』
って伝えられてますます許せなかった。
好きだったって言えば何もかも許されると思ってるなら、性根が腐りきってる」

と吐き捨てるように言った。




その表情は、今までに見た事がない程怒りで歪んでいて恐ろしかった。
息子は顔を引き攣らせて、
「そうだよね」
と言って落ち込んだ様子で部屋に帰っていった。

そこからしばらく元気がなかった息子だったが、先日、少し浮ついた様子になっていた。
話を聞くと
「(意中の子)と付き合える事になった」
との事だった。
冬休み明けから急に関わらなくなってきた息子を相手の子が心配して色々話を聞いているうちに、息子が
「相手の子が好きでちょっかいばかり出してしまってた。
すごく嫌な気持ちにさせてたんじゃないかと思うと、どう接していいか分からなくなった」

と正直にこぼしてしまったらしい。
すると相手の子も息子が好きだったらしく、
「ちょっかいといっても軽いもので、いつものお決まりのやり取りになってたんだから今更何を」
って感じで仲直り。
正式にお付き合いしようということになったらしい。

それに妻が激昴。
「逆らえばまた嫌がらせを受けるかもしれないと怖いから、お前に話を合わせただけだ
お前が存在しているだけで相手の子を苦しめているとなぜ分からない
お前はクズだ、嫌がらせをした相手をこれ以上苦しめるのか」

と息子を罵倒。
どうにか息子を避難させたが、妻の怒りは収まらず、
「お前もアイツの味方をするのか」
と罵倒され、実家に帰ってしまった。

息子に聞いたところ本当にちょっかいは軽いもので、
「もーwやめてよーwww」
って感じのやり取りだったらしい。
妻の過去の嫌な思い出も理解できるが、妻の場合と息子の場合とでは状況が違う。
けど、妻の中では中学時代の憎い相手も、息子も、好意を免罪符に相手に嫌がらせをする同じ様な下衆野郎という認識なんだろう。
息子は酷く落ち込んで不安定になっているし、妻は連絡しても全く返事をよこさないし、なんか疲れた。



憑かれた人 (上)(下)