391: 名無しさん@おーぷん 19/09/10(火)08:38:12 ID:Yi.cu.L1
ついこの間、勘助というものに人生で初めて遭遇してしまった。

私の働いてる会社は、研修や出張が割りとこまめにあるところ。
そのおかげで休憩室には、出張先で買った全国津々浦々のお土産が常に置いてある(自由に食べれる)。
うちの社長がご当地お土産大好きな人で、出張や研修があると、当事者にポケットマネーでお土産購入を頼んでくるんだよね。
別に強制ではないから断っても全然大丈夫。
むしろ大半の人は『出張のいい息抜きになるから』と、進んで社長のお使いをかって出ている。
休憩室に様々なお土産がそろっているのはなかなか盛観だし、社内では大好評。

で、これはもう長いこと続いてる慣例なので、定番のお土産は一通り買い尽くしていて、ここ2・3年は変わり種のお土産にラインナップが片寄りがちだった。
そこで私は最近、一周回ってまた定番のお土産を買うようにした。
みんなも変化球に飽きつつある頃だったらしく、
「やっぱり名物は安定だね~」
など和気あいあいとしてたのだが。
…まさかこの私の定番チョイスが、勘助へのアプローチと取られるとは思わなかったよ。




定番お土産を買い始めて少ししたあたりから、休憩室や廊下ですれ違い様に勘助がなーんかボソボソ言ってるなぁとは思ってた。
勘助は去年、中途採用できた四十代くらい(正確な年齢は知らない)のおじさんで、私と直接関わる仕事がないから、挨拶くらいしかしたことない。
しかも、妙に声がこもってて早口だから、モショモショしててよく聞き取れないんだよね。

全然気に止めてなかったから、いつも愛想笑いでさらっと通過してたんだけど、ある時、私が別の同僚たちとお土産食べつつ談話してたら、
「だ、だ、だ、騙したのかこの◯×△(解読不能)……!?!!」
って突然乱入してきて怒鳴られて
ヒェェェ!?
ってなった。
『今日の夕飯はどうしよう』という話をしてたんだよね。
で、
「私は出張先で買ったおかずがあるから、それを温めて旦那に食べてもらうわ」
と言ったのが勘助の逆鱗(?)に触れたみたい。
「既婚者の癖に俺を誘ってたのか!このあばずれ!」
みたいなことを怒鳴ってたようだ(後で聞いた)。
こっちは意味がわからず、ひたすらにぽかーん。

その場はとりあえず勘助をなだめておさめて、後に上司が私に事情聴取しに来たとき勘助の言い分を教えてもらったけど、勘違い男ってマジで思考回路が謎だね。
「彼女(私)は自分の食の好みに完璧に応えるお土産を買ってきてくれていた。
自分の好物をこうも続けて買うなんて、偶然のわけがない。
こっちは真剣にその想いに応えるつもりだったのに、不倫の誘いだったとは心外だ!」

とか言われて目玉ぽーんだよ。
「とりあえず形式上聞くけど、君アプローチのつもりだったの?」
って、
こんなこと私に聞かなきゃいけない上司も気の毒だ。

偶然のわけがないってなんだよ。
まごうことなき偶然だよ。
おめーの好みが死ぬほど一般的なだけだよ。
紅いも◯ルト、白い◯人、うな◯パイ、もみじ◯んじゅう、鳩サ◯レーなんて誰でも買うだろ。
何が、
「バター◯ンドは嫌いだからそれを買ってこないあたり意図的!」
だよ。
賞味期限を考えて白い◯人になっただけだよ。
勘助は勝手に思い込んで、勝手に憤慨して、勝手に幻滅したみたいだけど、知るか。

一応、説明もなく怒鳴り付けられたことは謝罪されたけど、それ以来、向こうはあからさまに私を無視&いないところで陰口を叩いているらしい。
ま、経緯を知ってる社内の人は、みんな私の味方をしてくれてるけどね。
せいぜい独りで勝手に怒っててくれ。
関わってこない分、平和だ。

ただ、それ以来またお土産ラインナップが変化球に戻ってしまったのが残念。
定番買ったらまた勘助の好みにヒットするかもと思ったら、そりゃ変化球にならざるを得ないよねえ…。



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