602: 名無しさん@おーぷん 20/07/30(木)09:40:36 ID:k8.pb.L1
新しく住み始めた土地で出会った夫婦の話。

今から5年ほど前、当時付き合っていた彼が転勤することになり、そのタイミングで結婚した。
引っ越しの挨拶で近所の住人に挨拶に伺ったとき、一組だけとても愛想のA夫婦(六十代)がいた。
今の時代挨拶する習慣って薄れてきてるのか分からないけど、最近引っ越してきた人達の中で挨拶にきたのが私達だけだったらしく、
「若いのに挨拶に来るなんてしっかりしてるわね~」
と感激され、大変喜ばれた。
それからも顔を合わせれば満面の笑みで挨拶してくれて、時にはおすそ分けを頂いたりして、私や旦那も
「いい人達がご近所で良かったね」
と心底安心した。

だが、安心したのは最初の数カ月だけで、しばらく経つ頃にはA夫婦が苦手になってきた。




キッカケは、おすそ分けのペースが増えてきたことだった。
おすそ分けもA奥の手作り料理がほとんどだったので最初は有り難く頂いてたが、
一度回覧板でA夫婦宅を訪れた時に玄関から見えた内部がゴミ屋敷だったのもあり、段々と食べれなくなってきた。
こちらも頂いてばかりだと申し訳ないのでデパ地下などで買ったお茶菓子などを渡してたが、
頻度が頻度なだけに出費が痛いし、顔を合わせれば長話に付き合わされるやらでストレスが凄かった。

それが何年か続いたが、去年の年末にA旦那が定年退職することになり、それを機にA夫婦は田舎に引っ越すことになった。
すると引っ越すまでの一ヶ月間、毎日のようにA奥がおすそ分けの延長で色々なものを押し付けるようになった。
使わなくなったカバンや服、さらに靴箱まで。
『よかったら使わない?』と聞かれるならまだ良いけど、
「これあげる」
と一言目に言われ、こちらがいくら断っても
「遠慮しなくて良いから」
と満面の笑みで渡される。
それも醤油のシミが付いてたり、ホコリかぶったままの状態で。
もう家のチャイムが鳴ることさえ恐怖で、最後の方は旦那に対応してもらってた。

A夫婦の引っ越し当日は顔を合わせないよう息を潜めて家の中にいた。
いくらチャイムが鳴ろうともその日だけは絶対に外に出なかった。
そして夜中に旦那が残業から帰ってきたとき、
「玄関にドアノブに掛かってたけど…」
とスーパーの袋を渡してきた。
中身は、使い途中のトイレットペーパーと汚れがついたままの洗濯バサミ。
気持ち悪くてすぐに捨てた。

そして数ヶ月後にA夫婦が住んでた家に新しい住人が引っ越してきた。
幸い、近所付き合いをするのが嫌いなのか顔を合わせても向こうから挨拶しないし愛想も良くない。

でも今はそれがとても心地よく快適に過ごせてる。



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